わが家のフリード+は、キャンプだけでなく、
災害時には夫婦2人の「小さな家」として使えるようにしています。
普段使いにも無理のない、わが家にとってちょうどいい車。
そんなフリード+ですが、
最近、水害への備えを考える中で「次に選ぶなら、どんな車があるんだろう?」と考えるようになりました。
※アイキャッチ画像内の車は架空の車です
わが家がフリード+を選んだ理由
わが家の車選びには重要ポイントがありました。
それは、「普段使いできること」と「いざというとき、車の中で生活できること」。
現在乗っているのは、ホンダのフリード+です。
フリード+を選んだ理由は、重要ポイントを叶えてくれる点でした。
- キャンプに行け、車中泊もできる。
- 災害が起きたときには、夫婦2人で車内で寝泊まりできる。
- 普段の買い物や用事に使いやすい。
- 大きすぎず、小さすぎない。
実際、フリード+の後部をベッドにすると、大人2人が寝られる十分なスペースがあります。
Hondaもフリード+について、2列目を倒す「おやすみモード」で、大人2人が寝ても余裕のあるスペースを作れると紹介しています。
わが家では、この車を単なる「車中泊のできる車」ではなく、災害時に使える小さな家として考えてきました。
ところが最近、ひとつ気になることが出てきました。
水害を考えると、もう少し車高が欲しい
近年、台風や線状降水帯、ゲリラ豪雨などによる大雨で、道路が冠水しているニュースを目にする機会が増えました。
そうしたニュースを見るたびに、気になるようになったのが、車の最低地上高です。
わが家のフリード+2021年モデルの最低地上高は、
- 2WD(FF)で135mm
- 4WDで150mm
2024年5月終了モデルのフリード+も、2WDが135mm、4WDが150mmで、数値は変わっていません。
もちろん、普段の生活で困ることはありません。
キャンプ場へ行くときも、多少の段差や未舗装路なら問題なく走れますし、これまでフリード+の車高を意識することも、ほとんどありませんでした。
でも、「災害時にも車を使う」という視点で改めて考えてみると、
「もう少し地面から離れている車のほうが安心なのでは?」
と思うようになりました。
そこで、現在販売されている車の中から、フリード+よりも最低地上高が高く、悪路にも強そうな車を探してみることにしました。
そして、真っ先に頭に浮かんだのが、スズキのジムニーです。
ジムニーといえば、本格的な4WD車。
一般的な乗用SUVとは違い、ラダーフレームを採用し、パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションなどを備えています。
「これは災害時にも強そうだな」
最初は、そんな単純なイメージでした。
ところが、調べていくと、少し意外なことが分かりました。
車高が高いことと、水害に強いことは、同じではなかったのです。
ジムニーなら冠水した道路も走れる……わけではなかった
今回、ジムニーについて調べていると興味深い記事が目に飛び込んできました。
「ジムニー,ノマドが爆売れしているのに、なぜ他社は『ジムニー対抗車』を作らないのか」という記事です。
この記事では、ジムニーが一般的な乗用SUVとは違う、本格的なクロスカントリー車として作られていることが紹介されています。
ジムニーが人気なのは、単に「SUVっぽいデザインだから」ではありません。
ラダーフレームを使い、縦置きFRレイアウト、機械式副変速機を備えたパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションという、かなり特殊な構造を持っています。
他社が同じような車を作ろうとすると、普通のコンパクトSUVを少し車高アップするだけでは済まない。
専用の車体や4WD機構が必要になり、開発費も大きくなる。
そのため、ジムニーには簡単に対抗車が出てこない、という内容でした。
「なるほど。やっぱりジムニーって、かなり特殊な車なんだな」
そう思って、さらに調べてみたんです。
すると今度は、水害について気になる情報が出てきました。
なんと、ジムニーでも冠水路の走行には限界があるのです。
2026年8月に掲載された記事では、ジムニーでも水深30cm程度が限界とされています。
しかも、国土交通省も、冠水した道路について「水深が床面以下なら大丈夫」という単純な話ではないと注意喚起しています。
走行速度が上がると、車が巻き上げた水や波によって吸気口からエンジンに水が入り、エンジン停止につながる可能性があります。
また、水流がある場合には車そのものが流される危険があります。
さらに水深がドアの下端に達すると、外側からかかる水圧によってドアを開けることが難しくなることもあります。
ジムニーは車高が高いから、水害でも安心。ではない
ジムニーは、雪道やぬかるみ、凹凸のある未舗装路などでは一般的な乗用車とは違う強さを持っています。
でも、それと「深い水の中を走れる」ということは別の話。
車高が高くても、エンジンの吸気や電装系、駆動系など、水に弱い部分がなくなるわけではありません。
これは、災害用の車を考えるうえで覚えておきたいところです。
「車高が高い=水害に強い」ではない。
むしろ、水害が起きたら「この車なら行ける」と考えて冠水道路へ入っていくのではなく、危険な場所には入らないことが最優先なんですね。
「渡河性能」って知っていますか?
車について調べていると、「渡河性能(とかせいのう)」という単語に出会いました。
これは簡単にいうと、「その車が、どのくらいの水深まで走行できるのか」を示す性能のこと。
特に、ランドクルーザーやランドローバー・ディフェンダーなどの本格的なオフロード車では、「最大渡河水深○○mm」という形で公表されています。
たとえばディフェンダーでは、最大900mmという数値が示されています。
ちなみに、軍用車両の世界でも「渡河」は重要な性能のひとつ。
防衛省には、装輪装甲車が水深や流速などの条件下で河川を渡る「渡渉試験」の規格まであります。
「車高が高い=水に強い」と思いがちですが、実際の渡河性能は、最低地上高だけで決まるものではありません。
水中でも車両が走り続けられるよう、どんな設計になっているかが関係します。
- エンジンの吸気口が、ボンネットの最上部など高い位置に配置されている
- 重要電子部品や、バッテリーの配線コネクタに強力な防水がされている
- 前後のデフやトランスミッションに水が入らないように設計されている
つまり、「最低地上高」と「渡河性能」は別の数字。
今回ジムニーを調べてみて、知ることができて良かったです。
市販車で見つける「最大渡河水深」の高い車
● トヨタ ランドクルーザー300[700mm]
日本が世界に誇る、本格クロスカントリー4WD。
● ジープ ラングラー[762mm]
アメリカを代表する、本格オフローダー。
● メルセデス・ベンツ Gクラス[700mm]
軍用車両をルーツに持つ、本格4WD。
● ランドローバー ディフェンダー[900mm]
市販車でもトップクラスの渡河性能。水深を表示する「ウェイドセンシング」も搭載。
など。
※数値は各メーカーが公表する最大渡河水深・渡河性能。車種・仕様・市場によって異なります。
フリード+からジムニーに乗り換えたらどうなる?
それでも、
「フリード+からジムニーに乗り換えるとしたら、わが家にはどれがいいのかな?」
という興味は残りました。
そこで、ジムニーシリーズの中でも現実的に候補になりそうなシエラとノマドを、フリード+と比較してみることにしました。
フリード+・シエラ・ノマドを比較してみる
現在のジムニーシリーズには、
- 軽自動車の「ジムニー」
- 普通車の「ジムニー シエラ」
- 5ドアの「ジムニー ノマド」
わが家の場合、普段の車として使うことを考えると、今回は「シエラ」と「ノマド」を中心に比較しました。
サイズを並べてみたら、かなり面白い結果になりました。
| フリード+ | ジムニー シエラ | ジムニー ノマド | |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,265mm | 3,550mm | 3,890mm |
| 全幅 | 1,695mm | 1,645mm | 1,645mm |
| 全高 | 1,710~1,735mm | 1,730mm | 1,725mm |
| ホイールベース | 2,740mm | 2,250mm | 2,590mm |
| 乗車定員 | 5人 | 4人 | 4人 |
| エンジン | 1.5L | 1.5L | 1.5L |
【全長】
フリード+は全長4,265mm。
それに対して、
シエラは3,550mmで、71.5cmも短い。
ノマドは3,890mmで、37.5cm短いです。
【幅】
幅を見ると、その差はたった5cmです。
フリード+が1,695mm。
シエラとノマドが1,645mm。
つまりノマドは、「フリード+よりかなり短いのに、幅と高さはかなり近い」。
これは普段使いを考えると、かなり魅力的です。
駐車するとき、狭い道を走るとき、前後方向が短いことは扱いやすさにつながります。
さらにノマドは、シエラより34cm長い分、積載量を確保できます。
スズキによると、ノマドはシエラよりホイールベースを340mm延長し、後席の足元空間を広げています。また、4人乗車時でも211Lの荷室容量を確保しています。
「これならフリード+からの乗り換え候補になるかも」
そう思って、次に気になったのが、やっぱり車中泊でした。
わが家にとって、ここは絶対に妥協できません。
フリード+を選んだ最大の理由のひとつだからです。
フリード+は、セミダブルの寝床が作れる
わが家のフリード+の車中泊スペースは、Honda公式の「Hondaキャンプ」で、「おやすみモード」を実際に採寸しており、フラット面の長さは約185cm、幅は約113cm。
→ フリード+の車中泊の使い勝手をHonda公式で見てみる。
※2026年8月現行車:奥行き約1,970mm、幅約1,260mm
このサイズは大人2人が寝られる、セミダブルベッドに近いサイズの平らな寝床を車内に作れます。
わが家は、ここにさらにDIYをしているので、単なる「横になれる場所」ではありません。
- 大人2人+犬が寝れる
- 荷物をたくさん置ける
- 車内で過ごせる
- 災害時には生活場所にできる
シエラの室内はどう?
シエラの室内寸法は、長さ1,795mm、幅1,300mm、高さ1,200mm。
前席のヘッドレストを外してたおすと、大人2人が寝ること自体は可能なようです。
でも、フリード+の様なセミダブルの「家のベッド」の感覚とは違います。
シエラは、あくまで「コンパクトな車の中に寝床を作る」という感じ。

フリード+のように、「今日は車の中でゆっくり過ごそう」という使い方とは、かなり違うなと言う印象です。
後席のヘッドレストも外して席を倒し、社外品で平(フルフラット化)にすることはできるみたいです。
ノマドの室内はどう?
ノマドはシエラより室内長が115mm長くなり、室内長は1,910mm。
さらに5ドアになっているので、シエラよりは明らかに車中泊向きです。
ただし、ここにも大きな違いがあります。
ノマドも座席を倒す際の凸凹を維持してフラット化する為、フリード+のように「大人2人のセミダブルベッド」が最初から得意な車ではありません。
実際、ノマドの荷室床面長は2名乗車時で1,240mm。
後席を倒しただけで、フリード+のような約1,900mmのフラットなベッドがそのまま出てくるわけではありません。
「小さい車にしたい」と「家として使いたい」の狭間で
ここまで調べると、わが家にとってのジムニーの位置づけが少し見えてきました。
- シエラ
全長3,550mm。
フリード+より約72cm短い。
幅も5cm狭い。
1.5Lエンジンを搭載していて、普通車としての動力性能もあります。
そして何より、ジムニーの本格的な4WD性能を持っています。
普段使いのサイズとして考えれば、ものすごく魅力的。
でも、わが家がフリード+に求めている「災害時の家」という部分では、かなり後退します。
- ノマド
全長3,890mm。
フリード+より38cmほど短く、シエラより34cm長い。
5ドアになって、後席も使いやすくなっています。
シエラよりは、明らかに普段使いしやすい。
キャンプ道具を積むことも考えられている。
「フリード+より小さくしたいけれど、シエラでは小さすぎる」と言うわが家には、
ノマドが一番近い存在なのかもしれません。
- どちらも「小さなミニバン」ではない
4人乗りで、荷室はフリード+よりずっとコンパクトです。
そして、燃費もノマドの4ATでWLTC 13.6km/L、5MTで14.9km/L。
2026年現在、ハイブリッド車などで20km/Lを超える車も珍しくないことを考えると、「小さいから燃費もすごくいい」という車ではありません。
小さくなる=安くなる、ではない
シエラやノマドは普通車なので、軽自動車のジムニーほど維持費が安くなるわけでもありません。
わが家が求めているのは、「ジムニーだから欲しい」ではなく、
「フリード+より日常の負担が少なく、それでも災害時には夫婦2人で使える車」です。
そう考えると、ノマドはかなり興味深いけれど、フリード+から乗り換えたときに失うものも、決して小さくありません。
それでもジムニーが候補に残る理由
ここまで調べると、最初に抱いた
「水害に備えて車高の高い車にしたい」
という理由だけなら、ジムニーを選ぶのは少し違うのかもしれません。
ジムニーは確かに車高が高い。
そして悪路走破性は本物です。
ラダーフレームやパートタイム4WD、リジッドアクスルなど、普通の乗用車とは明らかに違う構造を持っています。
でも、水害対策としては万能ではない。
冠水路に対しては、水深30cm程度がひとつの目安とされており、深い水や流れのある場所へ入っていける車ではありません。
むしろ水害の場合は、「ジムニーだから大丈夫」と思わないことのほうが大切なのでしょう。
それでも、災害は水害だけではありません。
大雪。
ぬかるんだ道。
未舗装路。
道路が荒れている場所。
キャンプ場へ向かう道。
そういう「普通の乗用車ならちょっと嫌だな」と思う場所では、ジムニーの本領が発揮されます。
スズキ以外で似た車はないのか?
今回参照した記事を読んでいて面白いと思ったのが、なぜ他社がジムニーの対抗車を作らないのかという話でした。
ノマドに至っては、執筆現在(2026年8月)の納期は、1~2年となっています。
それほど人気の車なのに、なぜ?と思いますよね。
ジムニー ノマド、発売前から異例の人気
2025年1月30日に発表された「ジムニー ノマド」は、わずか4日ほどで約5万台を受注。
想定を大きく上回る注文に、新規受注が一時停止されるほど。
スズキが設定した月間販売目標は1,200台。
つまり、わずか4日で集まった約5万台は、月販目標の約42か月分、単純計算で約3年半分に相当。
発売前から注文が殺到したジムニー ノマド。人気の大きさが分かる出来事でした。
ジムニーは、今どきの車として見ると、必ずしも効率のいい車ではありません。
ラダーフレーム。
縦置きFR。
パートタイム4WD。
リジッドアクスル。
燃費や乗り心地、室内の広さを考えれば、もっと現代的な方法はいくらでもあるはずです。
それでもスズキは、そこを捨てていません。
なぜなら、そこを捨てたらジムニーではなくなるからです。
他社がジムニーに対抗しようとして、もっと燃費を良くして、もっと広くして、もっと乗り心地を良くして、もっと快適にしたら……。
「あれ?それなら普通のSUVでいいんじゃない?」
となってしまう。
だからジムニーは、今の時代にはちょっと不思議な車なのだと思います。
便利さを全部取りに行くのではなく、
「悪路を走る」という一点を、とことん大事にしている。
その結果、他社が簡単には真似できない車になっている。
そう考えると、ジムニーが人気なのも少し分かる気がします
結局、フリード+から次に選ぶ車はあるのか?
ここまで比較してみて、わが家の場合はこうなりました。
フリード+は、やっぱりかなり特殊で便利な車です。
全長4,265mmと、決して小さい車ではありません。
でも、室内は広い。
大人2人がセミダブルサイズのスペースで寝られる。
キャンプ道具を積める。
災害時には車内で生活できる。
そして普段使いでは、大きすぎず小さすぎない。
この「ちょうどいい」が、なかなか他の車では再現できません。
だから、「もっと小さい車にしたい」だけなら、シエラはとても魅力的。
でも、「災害時に夫婦2人で暮らせる車」という条件を残すなら、かなりの部分を諦めることになります。
その点、ノマドはかなり強い候補です。
フリード+より38cm短く、幅も5cm狭い。
5ドアで、シエラよりも普段使いや荷物の積載性を考えた車になっています。
ただし、フリード+のセミダブルサイズの寝床をそのまま置き換えることはできません。
つまり、フリード+ → ノマドは、「同じことを、もっと小さい車でする」という乗り換えではありません。
「災害時の居住性を少し削って、普段の取り回しやジムニーならではの悪路走破性を手に入れる」
という乗り換えになります。
ここが、わが家にとって一番大きなポイントでした。
そして水害についても、「車高が高いジムニーなら安心」ではない。
国土交通省の注意喚起を見ても、冠水した道路は車高だけで判断できるものではありません。水流によって車が流される危険もあり、エンジンへの浸水やドアが開かなくなる危険もあります。
だから、水害への備えとしてジムニーを選ぶというより、
「普段はもっとコンパクトにしたい。そのうえで、雪道や悪路などにも強い車が欲しい」
という理由なら、ジムニーを選ぶ意味が出てくるのだと思います。
おわりに
わが家にとってフリード+は、ただのキャンピングカーではありません。
「もし家に戻れなくなったら、この車で夫婦2人が過ごせる」
という安心感そのものです。
だから、次の車を選ぶときも、単純に車体が小さくなればいいわけではありません。
普段の負担を減らしたい。
でも、いざというときの「家」は失いたくない。
この2つをどこまで両立できるかが鍵となります。
今回調べてみて、「ジムニー シエラ」よりも「ノマド」のほうがわが家の条件には近いことは分かりました。
でも同時に、フリード+が思っていた以上に「わが家の使い方に合った車」だったことも分かりました。
次の車を考えるときは、単純に「もっと小さい車へ」ではなく、
「フリード+でできていることのうち、何を残して、何を手放すのか」
を考える必要がありそうです。
車選びって、カタログの数字だけでは決まらないものですね。
わが家の場合、次の一台に求めているのは「最強の4WD」でも「一番小さい車」でもなく、
普段は無理なく乗れて、キャンプにも行けて、そして災害時には夫婦2人の居場所になってくれる車。
その条件で考えると、今のところフリード+の代わりは、意外と簡単には見つからないのでした。

